過去問の著作権について様々な視点

入試問題と著作権の問題についての僕の意見と対案はこちらに記した。

入試問題の著作権についてweb上では他にも様々な方が語っておられるので、バランスを取る意味でも、いろいろな視点からここにリンクをまとめていこうと思う。

  • 入試問題と著者

    実際に自分の文章が、入試に使われた方の率直な感想を読むことができる。僕も学習院の過去問としてこの方の文章に出会ったが、実にいい雰囲気の文章だったことが記憶に残っている。


  • 入試の問題

    入試を体験した方ならば、必ず一度は目にしたことがあると思われる外山滋比古氏が「全国学習塾協会」に寄せた特別寄稿。国立と私立の入試出題後の対応の違いなどが読めて面白い。


  • 渦状言論:河合塾の模試?

    動物化するポストモダン」の著者として知られる東浩紀氏が予備校の模試に自分の文章が掲載された際に「萌え」に注が付いたことについたことなどについて語っている。御自身も柄谷行人との出会いはどこかの模試だったとのこと。


  • MORI LOG ACADEMY

    森博嗣氏が御自身の作品が入試に出題されたものを解いた体験を綴っている。「国語で良い点を取れなくても、少なくとも小説家にはなれる」とのコメントが痛快。

  • みつとみ俊郎のダイアリー

    プロデューサー、作曲家、フルーティスト、音楽ライター、料理研究家のみつとみ俊郎氏が御自身の作品を入試問題や模試などで使用されたことについてコメントしています。「入試は営利事業ではない」という特例についての違和感を述べるとともに、「著作権者に代わって裁判などを代行する団体」に入会した経緯を語っています。

  • 稲葉稔の日記もどきda!

    作家・稲葉稔氏が御自身の作品を入試問題や入試問題集に無断で使用されたことについて、不満を表明されています。「著者の許諾なしに、作品を使われては遺憾である」とのことです。

  • 板生清の”到来!「コンピュータを着る」時代”

    御自身の著書から青山学院大学の国語の問題が出題されたことについての喜びの声を読むことができます。「こうした入試問題をとおして、若い人たちに新しい概念を紹介できることはとてもうれしいことです」とのこと。問題にもぜひチャレンジしてもらいたいとのことですので、ここをご覧の皆様も問題を入手して、感想などをお伝えしてみてはいかがでしょう?

  • 認知的体験

    海保博之氏が御自身の作品が予備校の本に採用されたために1600円を受け取ったことについて述べています。「少額印税寄付金機構を作り読書運動の支援に使う」などの有効の使い方はないものかと提案されています。

  • 夏目房之介の「で?」

    マンガの批評研究で知られる夏目房之介氏が北海道大学の入試問題に御自身の作品が使われたことについて話題にしています。この北海道大で入試問題として取り上げられた部分では「マンガは誰のものか」という問いによって、「創作・表現と著作権の問題」についても触れられており、このblogのテーマとも関連する重要な問題が入試問題として取り上げられています。

  • 設問の土台


    池澤夏樹氏が現状の国語教育の問題点について語るとともに、御自身の文章が入試問題に使われるようになったことについての様々な思いについて語っておられます。特に「筆者を隠すのは、それはない」と、出典が明記されていないことについて、痛烈に批判しています。(ちなみに、池澤夏樹氏の小説「スティル・ライフ」は2002年のセンター追試験で出題されたが、一部の過去問集では掲載不可となった。)

  • リヴァイアさん、日々のわざ

    川端裕人氏が御自身の作品がドリル・プリントなどの教材に使用されることについて述べられています。「受験問題としてぼくの作品と出会うのってどうなんだろ。」と述べられながらも、「どんなかたちでも人に届くのが大事という発想でオーケイを出してる。」ともおっしゃっています。

  • たからしげるブログ

    作家たからしげる氏が御自身の作品が高校の入試問題として使用され、問題集に転載される際の許諾にまつわるお話を書かれています。

  • 『なぜあの人とは話が通じないのか?』 by 中西雅之-Blog版

    『なぜあの人とは話が通じないのか?』の著者である中西雅之氏が御自身の作品が入試に使用され「お礼」や「問題集の掲載許可」の手紙を受け取った旨書かれています。「自分が知らないうところで、多くの人の目に触れ、入試問題になっていたなんて想像するとうれしいやら照れくさいやら、複雑な気持ちになります。」とのこと。

  • Blog水族館

    水族館のプロデュースなどで知られる中村元氏が御自身の作品が入試に使用され、御自分でも解いてみた体験について語っておられます。「もしかしたら、満点取れないかも」とのこと。「入試に出るから、中村元の本を読ませることにしましょう」ともおっしゃています。(大変楽しい語り口で語っておられます。僕も思わずこの方の著作を読んでみたくなりました。)

  • マブサビアン

    篠原資明氏が、このところ自著の受験問題集や参考書への使用許諾が送られてくるとの旨を語っておられます。2003年の東大-文科で『言の葉の交通論』が出題されたことについては、「自著の中でいちばん難解な本であり、この本がわかるようになったら、弟子にしてあげる」とのこと。

  • Shigekiの日記

    御自分の文章が大学入試の小論文に使われたとのことです。「国語に出題され、下線部で筆者は何を言いたかったのか、という設問の対象にはならなかったようで、安心した」とのことです。

  • Perspective of idea 立体的な思考のために。

    "Some Rights Reserved"というスタンスで、御自身の作品を公開し非営利での使用を認めておられます。著作権を強く訴える方が増える一方、こういったスタンスの方も増えてくるのかもしれません。

  • はてなbk1

    はてな」のbk1に寄せられた質問事項のひとつ。「自分の書いた文章が国語の試験に出題されたので自分で解いてみたところ、自分の答えは正解ではなかったという主旨のことを書いているひとはいますか。」という質問。確かによく言われることだが、実際にその旨を自分の著書に書いている人はどれくらいいるのか。(ちなみにこの記事の中で話題にあがっている遠藤周作氏については、その旨書かれている本を発見したので、「遠藤周作氏の受験産業屋批判」として記事にまとめた。)

  • 教育における著作物の著作権処理に激震

    あのZ会が和解金約6000万円を払うことになった記事を読むことができるとともに、教育関連に使用する著作物の著作権処理について書かれている。

  • 「和顔愛語 先意承問」の精神で。

    Z会のスタッフの方が、著作権を守ることの大切さとともに、著作物の使用料を払うために商品の価格が高くなってしまうことへの苦悩を述べられています。


  • 国語問題集などの二次利用

    NPO日本文藝著作権センター」の記事だ。「日本ビジュアル著作権協会」と、同様の主旨の団体のようだが、著作物の使用料など両団体スタンスは若干違うようだ。

  • 著作権を巡る 現在 直面する問題を考える

    「2004/11 塾ジャーナルより一部抜粋」された記事が読める。日本文藝家協会常務理事である三田誠広氏と東京私学教育研究所所長の堀一郎氏を招き、行なわれた講演会の一部が掲載されている。

  • 海外著作権連絡協議会

    出版、通信教育、予備校、塾等を経営する企業・学校12法人が設立した英文著作権等を中心とする海外の著作物利用に関する共同許諾申請及び情報共有を行う任意団体。英語の先生は是非ご覧になって下さい。

  • 日本著作権教育研究会

    著作物の適正利用を推進する立場から、著作者の連絡先の調査から、使用許諾、税務処理まで含めて、著作物の使用許諾申請代行業務をおこなっているとのこと。

  • 著作権教育フォーラムブログ

    教育の分野における著作権の問題を扱っている。「権利団体」と教育現場との対立についても冷静に建設的な視点で論じられている。

  • ののちゃんの自由研究

    asahi.com」の記事。子供にも理解できる具体例や平易な表現で「著作権」について語ってくれる。ここに国語のテストの著作権を巡って谷川俊太郎氏らが出版社を訴えた例がひかれ「裁判所は、谷川さんらの主張を支持し、出版社側に合計1億1500万円を支払うよう命じました」と説明されている。優しい語り口で語っている割りに、突然「1億1500万円」と具体的な金額が出て来て、ドキッとさせられる。オブラートに包んでもキツイものはキツイ。子供達よ!これが大人の世界だ。肝に命じて生きるのだよ。

  • "天声新語"に高校生2千人が挑戦 作文力、構想力競う

    早稲田塾」は朝日新聞と提携し、天声人語を使った文章コンクールを開催している。これからは、このような動きをしていかないと塾・予備校は教材を確保することもままならなくなるのかもしれない。



【ブログでこの件について論及しておられる方々】*次々、追加していきます。

【様々な著作権問題を扱っているblog】