書きおろしの文章集は作れないのか?

これまで、入試現代文の出題は既存の書物から抜粋を行なう形で作られてきた。だからこそ著作権の問題が生ずるのであり、根本的に仕組みを変えてしまえば、良いのではないだろうか。つまり、各大学において、入試のために文章を書き下ろすのだ。この文章を基にして現代文や小論文の設問を作り、入試終了後は、それを各大学が受験生にむけてインターネット上に載せたり、または入試文章集として製本して販売すればよい。これならば大学が、どのような知識や問題意識を受験生に期待しているのかが解るし、受験生も真剣にそれらの著作物を読むだろう。たとえば東京大学出版会の「知の技法」シリーズは学生の一般教養サブテキストであるが、同じ様なものを高校生にむけて、各大学が出版していけばよいと思う。わざわざ著作権でもめそうな現代作家の文章を大学入試に出す必要はない。

これまでは、大学から受験生にむけて直接情報発信をすることは、流通システムなどの問題で難しいことだったと思うが、インターネットが普及した現在ではそれが可能だ。2007年には大学全入時代を迎えると言われているが、今後はきちんと受験生の側を向いた入試システムを構築した大学が受験生を集めることができるだろう。

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