2006-01-01から1年間の記事一覧
興味深い記事を見つけた。あのセンター評論文第1問を各所から「削除」に至らしめた別役実氏が著作権の保護期間の延長に対して「慎重論」の立場から団体(「著作権保護機関の延長問題を考える国民会議」)を結成したということだ。itmedia Newsは別役氏の言…
著作権問題によって国語の過去問集が入手しづらくなっている。例えば、赤本で有名な教学社からこれまで出版されていた「東大の現代文」「京大の国語」シリーズが絶版となってしまっている。23年分とか25年分に渡って東大や京大の過去問を網羅して収録し…
遠藤周作氏が『狐狸庵閑談』(PHP文庫)という著書の「受験産業屋を批判する」という章で、自分の小説の一部が入試に出題され、自分の解答と模範解答が違っていたとのエピソードを書いている。「文中の主人公の次の行為を、どのような心理で行なったか」とい…
「評論の載っていない赤本?」という記事の中で僕は、入試過去問集に著作権料が上乗せされれば、受験生の経済的負担が増すことへの不安を記した。また、「やはり評論の載っていない赤本が出た!」という記事の中で、デジタルディバイドの問題についてもふれ…
著作権問題で、昨年度出題の評論文をweb上から削除せざるを得なくなるなど、苦労の続く大学入試センターだが、こんなニュースも。<受験番号記入ミスを救済 大学入試センター> http://www.excite.co.jp/News/society/20060525113255/Kyodo_20060525a414010s…
以前に「書きおろしの文章集は作れないのか?」という記事の中で、入試のために大学側が文章を書き下ろすべき旨を書いたが、2007年度版の赤本で確認したところ、どうやら早稲田大学政経学部は遂に「大学作成の文章」を入試に出題したようだ。入試に向けて書…
「やはり評論の載っていない赤本が出た!」という記事の中で先日、センター国語第1問をインターネットでダウンロード可能との旨を書いたのだが、あれこれ調べてみて驚愕の事実に出会った。 本家「大学入試センター」のwebサイトにおける「平成18年度セン…
以前に「評論の載っていない赤本?」という記事で予想した通りに、2007年度版のセンター国語の赤本から、評論の第一問の別役実『言葉への戦術』が「編集の都合により」というコメントと共に省略されてしまった。(ちなみに本文と問題は割愛されているが…
河合塾が早稲田一文の国語をweb上で公開していません。代ゼミは第一問以外は公開しているので、第一問の出題作家に著作権上問題が? 出典だけでもどなたか、教えて下さい!当blogの主旨はこちら↓ http://d.hatena.ne.jp/phenotex/20060201
大学受験を体験した者ならば誰でも知っていると思われる入試過去問集「赤本」が訴えられた!http://www.jvca.gr.jp/news/news04/jvcanews04_06.htmlこれは塾・予備校などに携わる者には非常に大きな衝撃となった。だが実は既に赤本が訴えられる以前にその予…
これまで、入試現代文の出題は既存の書物から抜粋を行なう形で作られてきた。だからこそ著作権の問題が生ずるのであり、根本的に仕組みを変えてしまえば、良いのではないだろうか。つまり、各大学において、入試のために文章を書き下ろすのだ。この文章を基…
現在の大学入試において、漢文を課すところはほぼ文学部ばかりとなっている。自ずから、受験生も漢文の学習をおろそかにするようになっている。だが、日本人の思想・文化と漢文は不即不離の関係を結んできたのであり、漢文の学習をおろそかにすることは、ま…
2006年のセンター試験が終わった。国語第1問の評論は別役実氏の文章だった。別役氏は「日本ビジュアル著作権協会」の活動に賛同し、四谷大塚や日能研を訴えている。また同団体は大学受験生にはお馴染みの「赤本」(世界思想社教学社)を訴えていることでも…
自分の文章を塾・予備校で使われることに抵抗感を持つ作家の方々の中には「塾・予備校は受験テクニックを教えるだけの卑しい空間である」との認識をされている方もいるようだが、僕は「塾・予備校は学校教育の補完として機能してきた」と考えている。このブ…
自分の文章を入試問題で使われることに抵抗感を持つ作家の方々の中には、入試問題の中で『筆者の主張は〜』『主人公の気持ちは〜』というタイプの出題がされることに対して不快な気持ちでいる者もいるようだ。だが、作品は読者と作者の間にあるものだ。解釈…
現在の大学入試においては、国語の現代文の出題のほとんどは「評論」であって、「小説」の出題はかなり少なくなっている。センター試験と国公立の2次試験は辛うじて「小説」の出題を続けているが、私大ではほとんどの大学が「評論」中心の出題だ。大学にお…
最近の入試現代文はひと昔前の文芸評論中心のものから大きく傾向を変えて、「現代思想」と言ってもいいほど、哲学・思想系の文章が多い。だからこそ塾や予備校の現代文の授業は「背景知識」を教えテーマについての理解を深めるタイプのものが増え、予備校の…
九鬼周三、末弘 厳太郎、寺田寅彦、泉鏡花、夏目漱石、高村光太郎、西田幾多郎、岸田劉生、河上肇、中井正一、岡倉天心、折口信夫、萩原朔太郎、有島武郎、戸坂潤、坂口安吾、三木清、五十嵐力、佐藤春夫、丘浅次郎、前田利鎌、穂積陳重…ここ20年程の大学…
良きにつけ、悪しきにつけ、入試制度は国の形を作るひとつの要素であることは間違いないだろう。現状の入試制度はいったいどんな国の形を作っていくのだろう。賛否両論の「ゆとり教育」を受けた世代がいよいよ大学受験に臨む時代となった。「生きる力」を唱…
「日本ビジュアル著作権協会」で赤本などを訴えている人々の中には、およそ、そのような生臭いことをしなさそうなイメージのある人達も多い。この点について「この人達はその名がよく知られている割には経済的には恵まれていないのではないか」との仮説を立…
憂うべきことかもしれないが、日本人が一番勉強するのは、大学生の時よりも、受験生の時であると思う。この際、過去問や過去問を基とした問題集を使用する。(これは国語に限らず他の教科も同様である。)そして、読書をする習慣の乏しい日本の少年少女が評…
入試問題と著作権の問題についての僕の意見と対案はこちらに記した。入試問題の著作権についてweb上では他にも様々な方が語っておられるので、バランスを取る意味でも、いろいろな視点からここにリンクをまとめていこうと思う。 「入試問題と著者」 実際に自…
「入試問題=バナー広告」というのは、少し大胆過ぎる発想かもしれない。僕は「著作権でもめる可能性のある現代作家の文章を入試で使うのはやめたらどうか」との提案をしたが、逆に「入試で使ってもらいたい」という作家の方もおられるのではないかとも思う…
昔、男ありけり。その男、身をえうなきものに思ひなして「京にはあらじ、東の方に住むべき国求めに」とて行きけり。もとより友とする人、一人二人していきけり。(中略)その沢にかきつばたいとおもしろく咲きたり。それを見て、ある人の言はく「かきつばた…
法律・権利は大切だろう。お互い自分の利益も守りたい。だが、人はたった一人でこの世に生きるわけではない。他者との繋がりの中にいる。誰かが欲張り過ぎたり、誰かが本来やるべきことを怠ったりして、全体を見失った時に大事な何かが壊れてしまう。僕の道…
受験というものは、やはり日本では国民的行事なのだろう。 乗り過ごし受験生“救助”JR東日本が温情停車 以前にもこのようなニュースはあったが、なぜか日本人は受験生に暖かい。JRの車掌の行為については、賛否両論だろう。「是か非か」については多くの人…
あれこれ検索していて気がついたのだが、web上に詩人の詩をまるごと引用している人が結構いた。試しに、著名な詩人の有名な詩を3、4編検索してみたが、見事に入手できた。上手にやれば「webで拾った日本の名作詩集」などを作ることができそうだ。僕自身は…