やはり評論の載っていない赤本が出た!

以前に「評論の載っていない赤本?」という記事で予想した通りに、2007年度版のセンター国語の赤本から、評論の第一問の別役実『言葉への戦術』が「編集の都合により」というコメントと共に省略されてしまった。(ちなみに本文と問題は割愛されているが、解答・解説だけは収録されており、なんとも奇妙な作りとなってしまっている。)


同様に学燈社の「全国大学国語入試問題詳解」でも同じく、センター国語の第一問は掲載されておらず、「第一問は非公開」とのコメントがつけられている。


いよいよこの日が来てしまった。多くの受験生が本格的に過去問を購入して演習をするのは、夏から秋にかけてだと思うので、まだ現時点で大部分の受験生はこの事実に気づいてないだろう。混乱が始まるのはもう少し後になるであろう。

一応、ネット上ではダウンロード可能なので、評論第1問が全く手に入らないわけではない。
http://www.yomiuri.co.jp/nyushi/center/06/1/exam/342/1.htm


だが、インターネットの使えない環境の受験生はどうなるのだ? 過去問の入手も演習もできないのか? まさにデジタルディバイドの問題が起こって来る。


一方、ここまでの事態が起こったことによって、この著作権問題の深刻さが、幅広く人々に認知されることにつながるかもしれない。もしテレビなどが積極的にこの問題を取りあげていくことになれば、現在のいろいろな意味で極めて歪んだ状況が世間に知られることになるだろう。


ただ、もしマスコミが報道することにでもなった時には、世論を特定の方向に操作するような形での取り上げ方だけはして欲しく無い。作家側、塾・予備校・出版社、さらに受験生などの見方をそれぞれ冷静に極力客観的に報道してくれることを望む。

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